新しいライフサイクル

産業ライフサイクルを変えるような大きな影響力をもつのは、いうまでもなくラジカルな製品技術の革新ですが、真空管がトランジスタに変り、さらに半導体や集薔路が出現したこと・・・


現在でいうとセラミックスや光ファイバー、遺伝子工学の出現のような・・・


この種の技術革新は、いつもどのような形で出現し、実用化されるか簡単に予測できないのです。


それは突如として出現することが多いです。


そして、いつの間にか中古車の検索にある自動車にも使われるのです。


それに比べて工程の技術の革新は、これがつみ上げられていくことによってその産業の成長を促進するとともに、成熟段階に入ったその産業の寿命を延長する作用をもっています。


しかし工程技術の革新も、一定の大量生産技術体系のもとで製品の設計やコンセプトにさしたる変化のないまま量産効果によるコスト・ダウンに貢献するだけであるのなら、その産業の成熟期を引きのばすだけの効果しかもたないのですが・・・


周辺技術の進歩を取りいれ、かつこれに刺激を与え製品コンセプトに重要な変化や多様性を実現する場合には、単に成熟期を引きのばすだけでなく、新しいライフサイクルを生み出すことができます。

自動車産業とライフサイクル

今後の日本自動車産業の活路としてすでに実行段階に入った海外進出やスバル 中古車の強化、国際提携の具体的実績がどうでるか・・・


これが、重要な試金石となるはずです。


ある教授は、その最後の著作『インダストリアル・ルネッサンス』において、自動車産業は単なる成熟産業ではなく脱成熟産業への道を今や踏みだしつつあることを明快に指摘しました。


・・・彼によれば、すべての産業にはその技術の発展や変化と関連したライフサイクルというものがあります。


つまり、幼稚段階から成長段階に入りやがて成熟段階に入って、成熟段階を過ぎると衰退期が訪れるのです。


一般に技術革新には、製品そのものの特性や製法まで根本的に変えてしまうラジカルな製品技術の革新と、一定の技術体系・・・


例えば標準化による大量生産技術のようなものが確立してしまって、その技術体系のもとで絶えず追加的につみ上げられて能率や品質の向上を促進する工程技術の革新があります。

市場シェア固定論


現在進行しつつある対米現地生産も、5社全部の生産が出揃えば3年~4年後には現地生産車だけで年間100万台程度になると思われます。


この点に関連しても部品の現地調達率との関連でローカル・コンテント法が浮上する可能性が強いのです。


自主規制がスタートして以来、国際的にみて日本の自動車産業は、一種の市場シェア固定論の枠に次第にはめ込まれてきています。


この傾向が蔓延すれば世界経済のダイナミズム喪失に結びつく保守主義にはずみをつけかねないのです。


このようなシェア固定論と保護主義は、巡りめぐって中古車の情報の増加、自動車産業のイノベーションや体質改善による活性化の芽をつんでしまうことは事実です。


しかし現実に起きている自動車生産の肇調整に伴う失業その他の社会的摩擦を考えると、何らかの利害調整はどうしても政治の次元に持ち込まれることになります。


このような状況のもとに自主規制問題は、日米自動車産業の再編成問題もからめた競争関係の展開と政治的次元の問題との間を揺れ動きながら、今後も推移していくでしょう。

スバルの中古車に乗って


今後この自主規制問題は、これ以降のアメリカの景気や金利動向、エネルギー事情もからんだ自動車市場動向が、どの程度まで好調を持続し・・・


そして、デトロイトの体質転換と競争力の回復がそれによって完全に実現するかどうかをにらみながら・・・


一方では、今後のドル高やアメリカの財政赤字と日米間の貿易摩擦をにらんだ極めて政治的な判断に左右されつつ対処されていくことになるでしょう。


この場合、デトロイト再建の鍵は、やはり大型・中型車中心の、スバル 中古車などを含む日本車と差別された高収益構造が何らかの形で再建可能かどうかということ。


そして、技術革新や設備近代化と生産技術の向上がマッチして高品質と高労働生産性を実現できるかどうかにかかっています。


これらの条件が簡単に実現しないということになれば、まさに政治的プレッシャーがらみの再延長問題もしくは日本のメーカーが最も恐れるローカル・コンテント法問題が浮上する可能性があります。


また自主規制の延長が撤廃されるとしても日本の総輸出の21.7%を占める自動車をめぐる貿易摩擦は一朝一夕になくなりません。


中古車情報が増えはじめて

対米輸出自主規制の延長問題は、伝えられるところでは、85年度についてとくにレーガン政権として自主規制の延長は日本政府に求めないとの意向表明がありました。


以来85年3月まで業界の自主性に委ね、とくに台数規制は続けたいとの案も通産省でかなり真剣に論議されました。


・・・しかし結果的には、中古車情報が増えはじめた84年の185万台から230万台へと台数枠を拡大する形で自主規制が延長されることになりました。


このことは自主規制問題が、日米自動車産業の競争関係という経済問題の枠を越えて、外交、防衛、貿易などの政治的次元の問題として理解されていることのあらわれです。


規制をきめる一つの大きな理由として、日米間の貿易収支不均衡の拡大があげられているのも、問題の政治的性格をうかがわせます。


その意味では対米乗用車輸出自主規制の延長は、現在のデトロイトの好決算という状況のもとでその根拠を失いつつあるにもかかわらず、日米外交関係・・・


とくに貿易摩擦という政治的要請がつねに優先しているといえるのであり、その要請の前に業界がこれに同調せざるをえなかったというのが真相でしょう。


生き残りのための戦略的思惑


企業グループは日本のメーカー同士だけでなく、とくにデトロイトの3社との間にも企業間提携の形で進められています。


さらにもうひとつ11社共存を可能にした条件として、日本の自動車メーカーが激しい競争体質の中でその日本的合理化を推進して一定の限度内ではありますが・・・


スケール・メリットの分岐点を切下げることに成功したことで、年産40万~50万台規模の自動車メーカーの存続が保証されるに至ったことも指摘できます。


これには日本の自動車メーカーの部品外注依存率が高く、しかも系列化の傾向が強いとはいえ・・・


高品質の部品を低コストでかなり広汎に購入できる裾野の広い優れた部品メーカーが多数存在したことが大きく貢献しています。


問題は今後も、スバル 中古車などを含む日本の自動車産業の競争的体質と11社共存体制が今後も持続可能かということです。


これには、国内の過当競争によって脱落するメーカーが出るかどうかということ・・・


そして、ドル箱の対米輸出がたとえ自主規制であっても今までよりも台数的に増えるかどうかということが、かかわりをもつことはいうまでもありません。


・・・このように自主規制問題は、日米各メーカーの生き残りとそのためのいろいろな戦略的思惑がこれにからんだ形で、今後も推移していくことになるでしょう。


ファミリーカーとしての要件は・・・

当時、リッター当たり24キロの燃費も同クラス他車に比べて優秀でした。


足まわりのメンテナンスフリーの実施なども、ファミリーカーとしての要件をよく配慮したものと言うことができるでしょう。


ファミリアセダンは発売早々からよく売れました。


中古車もよく出回っていましたね。


12月には恒次社長の公約を500台上回る4000台の販売を達成、明けて40年代にも順調な売れ行きを重ねていきました。


もっともそのかげには39年11月に追加設定したファミリア・2ドアスタンダード、同じく2ドアスペシャル(シリーズの最低価格車)など、マーケティング戦略の成功も寄与しています。


マツダ・ファミリアの物語はこれで終わります。


昭和62年末の時点で、マツダブランドの乗用車は車格の上から順にルーチェ、サバンナRXi7、カペラ、コスモ、エチュード、ファミリアの6モデルがありました。


ほかにフォードブランドのフェスティバ、レーザー、テルスターを生産しています。


ファミリアセダンの発表

ファミリアセダンのドザインやスタイルには、とりたてて言うほどの新味も特長もないですが・・・


人の心を落ちつかせるようなムードがあります。


それに初めてお目見得するニューモデルの強味というべきか・・・


あるいは買える、買えないはともかく『本格的なファミリーカー』のキャッチフレーズが、自分向けに用意されたと思うのか・・・


スバル 中古車も多いファミリアセダンの乗るターンテーブルの周りには、終日絶えることのない人垣ができました。


主な仕様と寸法拭次のとおりです。


長×幅×高(㎜) 3765×1465×1385


乗車定員 5名


車両重量 740㎏


連続最高速度 115㎞/h


エンジン形式 水冷、直4、4サイクル


総排気量 782㏄


最高出力 42ps/6000rpm


最大トルク 6.0㎏・m/3200rpm


トランスミッション 前進4段、シンクロメッシュ


・・・この発表内容で変わっていたのは、通常なら最高速度ですませるところを、連続最高速度とし、連続の文字に力点を置いていたことです。

ピカピカのニューモデル

広い邸内を1周されて殿下は


『エンジンの音は静かだし、室内は広いな。


私は批判精神旺盛だから、なんとかケチをつけてやろうと思ったが、これではケチもつけられないよ』


・・・と言って大笑いされたといいます。


ファミリアセダンが大衆の前に姿をあらわしたのは、新聞発表から2週間後に開幕した第11回東京モーターショーの会場です。


世間一般に、大衆モータリゼーション開花寸前のムードが横溢しています。


それだけにモーターショーの人気は高く、特別入場料500円の初日(2日目からは100円)ですら2万6000人が入場したといいますから、もって人気のほどもうかがわれます。


ショーの会場では、どの展示モデルにも観客がむらがるものです。


中古車情報を見てもわかることですが、消費者はやはり少しでも新しいクルマが欲しいものなのです。


・・・とりわけピカピカのニューモデルには、近寄れないほどの人垣ができます。

新しいくるまの発表

今日も前回からの続きで、以下に当時の毎日新聞の記事を紹介します。


・・・


「最高速度での長時間運転が可能のほか、加速性、経済性(リッター当たり舗装平坦路で24キロ)、居住性などにもすぐれている。


月産3500台で800台程度を輪出に回す予定。


価格は北海道を除く全国統一価格でスタンダード48万8000円。


デラックスは6万円高の54万8000円。


10月1日から全国一斉に発売する。」


・・・


発表の大要は以上につきます。


当時から今まで、やはり中古車情報が多く人気が高いのはファミリーカーなのです。


余談ですが、恒次社長は高松宮とも親しい間柄にあります。


生前の殿下は第1回のときから東京モーターショーの総裁をつとめられたほどの自動車好きでもあります。


それで発表会のあと、お邸に回って高松宮にも試乗してもらい、批評を乞いました。